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司法修習生の質問に回答【随時更新】

ローブログでは、修習生から頂いた司法修習に関する質問と私の回答をこちらの記事に集約していこうと思います。

そのため、この記事はご質問を受ける度に適宜更新していくことになります。

ご質問のある修習生はお気軽にTwitterのDM質問箱この記事のコメント欄(承認制ですが私は必ず見ることができます)等からどうぞ!

ご質問を頂けるほど記事が充実して、質問者の皆さまはもちろん、読者の皆さまや私にもプラスになりますので、どんどん質問をくださると嬉しいです!ご協力よろしくお願い致します!

 

※LAW BLOG(ローブログ)の各記事をご覧頂いている前提でのご質問もあります。テキストリンク等を付すように致しますが、全てを網羅することはレイアウト等の関係で難しいです。大変恐縮ですがご容赦くださいませ。

 

1 起案に関する質問

 

起案全般について

 

Q1 白表紙を読んでいても起案が書けるようになるイメージがわきません。どうしたら良いでしょうか。

A1 私も同じような感覚がずっとありましたのでお気持ちはすごく分かります。実務修習中に指導担当の皆さまから書き方を教わる機会がありますし、実務修習中の起案等を通して次第に理解が進んでいくので、真摯に修習に取り組めば大丈夫だと思います。

 

民事裁判について

 

Q1 判断枠組みで4類型のどれにあたると認定した後に何を書くかが分からないです(4類型ごとに全く異なることを書いていくのかよく分からないです)。

A1 基本的には、4類型のどれでも着眼点ごと事実認定評価をした上で、最後に総合評価でまとめるという流れになるはずです。例外は、第1類型で類型的信用文書が処分証書にあたる場合くらいだと思います(特段の事情の検討の必要がなく、当該争点についての判断が可能となります)。


Q2 積極方向、消極方向に働く事実を書いていくと思うのですが、それは上記の判断枠組みのあとに書くのでしょうか?(判断枠組みとのつながりがよく分かりません…)

A2 A1に包摂されていますが、事実認定の部分(動かし難い事実を書く部分)で、いずれの方向に働く事実も書くことになります。(少なくとも72期では事前課題で積極方向と消極方向に分けて書くことを求められていたため、混乱しやすいところですが、)起案では、積極か消極かはその後の評価の部分で記述すれば良く、事実認定段階の記述ではその旨を示す必要はありません。なお、事実は着眼点ごとにまとめて記載していきます。


Q3 着眼点をブログの記事に記載していたと思いますが、「行為前、行為時、行為後」に分けたあとの細分化の場面では、自分で勝手に想像力を膨らませて色々挙げていくのでしょうか?それとも考慮要素みたいなものがいくつか決まっていて、それを挙げていく感じなのでしょうか?

A3 自分で自由に設定して構いません。慣れてくると分かりますが、どの修習生も大体似たようなまとめ方になっていきますし、絶対の正解があるものではないので心配はいらないです。考慮要素は、ジレカンや私の記事を参考に自分なりにストックを増やしておかれるのはとても良いことだと思います。もっとも、起案の際はそれに縛られることなく柔軟に対応する心構えも必要になることがあります。

 

Q4 要件事実の勉強の教材は、新問研と類型別で良いでしょうか?

A4 合わせて『事実摘示記載例集』も使うことをおすすめします。また、白表紙ではありませんが、私は『要件事実30講』も愛用していました。詳細は過去の記事で書いております。

 

Q5 記録を効率よく読み、かつ、事案を正確に把握できるようにする方法はありますか?

A5 人それぞれにやり方はあるのでなんとも言えないところです。実務修習の中で段々と身につくものだと思います。ひとつあるとすれば、主張書面を要件事実的な視点で見るようにすることでしょうか。事実関係、法律関係、証拠関係がかなりの程度整理できるはずです。ちなみに、私は、主張書面の後は、尋問調書を見ることにしていました。

 

2 就活に関する質問

 

Q1 弁護士事務所に内定をもらいましたが迷いもあります。就活をいつまでやるべきなのでしょうか。

A1 これは非常に難しい問題だと思います。各事務所等にできる限りご迷惑をかけないようにしたり、不義理を働かないように努めることは大事ですよね。しかし、ご自身の人生がかかっている大事な選択の場面ですので、納得がいくまでは就活を続けるべきなのでしょう。私は、たまたま同じ日に内定等の通知を複数から頂き、同日中に決断できるという大変ありがたい状況で、就活の継続にそこまで悩むことはなく済んでしまったため、コメントしづらいところです。ただし、内定受諾後も内定先事務所のリサーチは続けており(土日に事務所前に行って電気がついていないか見てみる、辞めた先生に会って話を聞く等)、これも広義の就活に入ると考えれば、入所まで断続的に続けていたことになります。

 

Q2 任官・任検に興味があります!

A2 私は、弁護士になった身ですので、特別なアドバイスはできないです。申し訳ありません。ただ、シンプルではありますが、良い成績をとること、修習に一生懸命励むことは大きなポイントになるのではないでしょうか。ちなみに、検事になる場合も正式には任官と言いますので、用語の使い方には注意すると良いと思います。

 

3 その他の質問

 

Q1 導入修習までにどれくらい勉強をするべきですか。

A1 ご自身が司法修習に何を求めるかにより程度は変わるのでなんとも言えないところです。最低限、指定された白表紙はしっかり読んでおくべきなのでしょう。勉強を一生懸命することは、一般的にも司法修習生としても賞賛されるべきことだと思います。