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修習中に使っていた法律書〜本棚チラ見せ〜

司法修習中に使っていた書籍をご案内致します。

 

まず、前提として、二回試験対策として使っていた書籍については別記事がございますので、そちらをご覧ください。そちらの記事の方が成績との関係では重要だと思います。

 

今回は、それ以外の書籍白表紙でないものについてのご紹介ということになります。

 

書籍として必要となるものとしては、

 

・基本書(民法、民事訴訟法、民事執行・保全、刑法、刑事訴訟法)

・要件事実関係の本

・コンメンタール

・六法

・法律用語辞典

・参考になりそうな実務書

 

があると考えており、これらを意識して自宅の本棚に置いておくようにしていました。

いずれも通読を目的とするというよりは、調べ物として用いるようなイメージではあります。もちろん、結果的に通読しているものもあります。

 

お引越しの前に本棚の写真を撮っておきました。上に書いた系統の本を置いていたあたりのラインナップはこんな感じです。

 

 <本棚の「ほんの」一部。本だけに。>

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定番のものを揃えている感じになるかと思います。

以下、簡単にご紹介します。

 

1 基本書

 

・『民法(全)』潮見佳男

・『基礎からわかる民事訴訟法』和田吉弘

・『実践民事執行法民事保全法』 平野哲郎

・『基本刑法Ⅰ 総論』大塚裕史ほか

・『基本刑法Ⅱ 各論』大塚裕史ほか

・『リーガルクエスト刑事訴訟法』宇藤崇ほか

メインの基本書は簡潔な記載がされているものにした。研究したりレポートを書く場面というのはあまりないし、修習先に必要な基本書は置いてあるので、これらで十分。

 

2 要件事実関係の本

 

・『要件事実マニュアル』岡口基一

自分はこのシリーズを1~3まで持っていた。要件事実の勉強はもちろん、引用文献が多くて調べ物の端緒にもできるのでかなり有用である。そのため使用頻度は高かった。これも修習先にほぼ確実に置いてあるので購入するかどうかはお好みで。

その他の写真に写っているものはあまり使っておらず、以前の記事に書いたように各種白表紙や『要件事実30講』『紛争類型別の要件事実』を使っていた。

 

3 コンメンタール

 

・『我妻・有泉コンメンタール民法』我妻榮ほか

・『条解 民事訴訟法』兼子一ほか

・『条解 刑法』前田雅英ほか

・『条解 刑事訴訟法』松尾浩也ほか

条解シリーズは神保町ブックフェスティバルで半額だったため購入したものである。調べ物用として時々開いていたが、使用頻度はいずれも低い。でも、本棚にあるとなんだか落ち着く。

 

4 六法

 

・『判例六法』有斐閣

・『デイリー六法』 三省堂

『デイリー六法』は二回試験で貸与される六法であるため、慣れておく必要があると考え折に触れて使うようにしていたが、修習時は専ら使い慣れた『判例六法』を携帯することが多かった。より多くの法令が搭載されている六法を用いている修習生も少なくないが、私は持ち運びのしやすさを重視した(搭載されていない法令については事前にチェックするなどして対応していた)。

 

5 法律用語辞典

 

・『法律学小辞典』有斐閣

コンメンタールと同様、「あると嬉しいな」くらいのもので使用頻度は低い。 

 

6 実務書等

 

・ 『書記官事務を中心とした和解条項に関する実証的研究』法曹会

和解条項については、この本を読んでおけばまず間違いないというもの。弁護修習や民事裁判修習でかなり役立った。民弁の小問対策にも役立つ(通読の必要まではない)。研修所内と一部の限られた場所でしか購入できないので導入修習中の購入をおすすめする。

 

 

・『クロスリファレンス民事実務講義』京野哲也

修習前、TKCの合格者向けの会で頂いたもの。白表紙の『民事弁護の手引き』と合わせて、つまみ食い的な感じで使っていた。

 

・『民事訴訟マニュアル 書式のポイントと実務 上』岡口基一

・『民事訴訟マニュアル 書式のポイントと実務 下』岡口基一

これらは弁護修習中の起案の際に何度か参考にした。かゆいところに手が届く感じ。

 

・『刑事弁護Beginners』現代人文社

刑事弁護についてかなり具体的に実務的な動きが勉強できる。弁護修習中、刑事事件に携わることも多く、その際に大いに役立った。

 

・『刑事事実認定重要判決50選 上』小林充ほか

・『刑事事実認定重要判決50選 下』小林充ほか

以前の記事に書いた通りである。もっとも、刑事系科目で頻出の殺人や正当防衛、共犯等のあたりは読んでおいて損はしないだろう。

 

・『弁護のゴールデンルール』キース・エヴァンス

・『民事反対尋問のスキル』京野哲也

・『刑事法廷弁護技術』高野隆ほか

上の3冊はいずれも、実務修習や集合修習での模擬裁判で役に立った。しかし、実践するのは難しく、実務に出てからの経験が重要なのだろうと思う。

 

7 その他

 

 司法試験の自分の選択科目以外の科目の入門書や民法改正の解説書等を読んだりした。このあたりは、どこまで修習中に手当てをするかという問題はあるのでみなさまでそれぞれ検討されるのが良いと思う。

 

 

以上です。

他にも色々読んではいるのですが、本棚ってお見せするの結構恥ずかしいですよね。

今後も、修習中に読んだいくつかの本についてはご紹介できたらなと考えております。