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二回試験(司法修習生考試)の環境

今回は、二回試験(正式名称は、司法修習生考試)の環境面について書いていきます。

 

二回試験の内容面での対策については、以前投稿した記事の方をご覧ください。

当ブログ(ローブログ)の記事の中では、最も質の高い記事たちだと思っています。また、試験である以上、内容面の方が重要だと思いますので、その点でもおすすめできる記事たちです。二回試験直後に書いていますので情報の鮮度も高いはず。

と、宣伝はこのくらいにして。本題に入っていきましょう!

 

※守秘義務に違反する可能性がありますため、出題内容等への具体的な言及は当ブログ(ローブログ)では一切行いません。ご容赦くださいませ。

 

1 前提

 

二回試験は、不合格者を裁判所法68条1項及び司法修習生に関する規則17条1項1号により罷免するというものです。そのため、二回試験に合格するという概念は正式には存在しないことになります。

二回試験のルールは、集合修習中に配布される「司法修習生考試応試心得」という要項で確認するようにしてください。この記事で記載する内容は、あくまで72期の当時のものとして読んで頂ければと思います。

 

2 日程

 

令和元年11月20日(水) 民事裁判
令和元年11月21日(木) 刑事弁護
令和元年11月22日(金) 刑事裁判
令和元年11月25日(月) 検察
令和元年11月26日(火) 民事弁護

 

・試験時間は、いずれも10時20分〜17時45分の答案起案時間(昼食時間を除いた6時間25分)と17時45分〜17時50分の答案綴込時間(5分)でした。

・12時〜13時までの昼食時間(1時間)の間も答案起案をすることができました。したがって、起案に使える実際の時間は、7時間25分あるということになります。

着席時刻は、9時45分でした。

・年度によって試験科目の順序は異なるようです。

・二回試験初日の2日前(令和元年11月18日(月))というギリギリまで、集合修習又は選択修習がありました。準備はお早めに。ちなみに、前日(令和元年11月19日(火))は自由研究日という扱いでした。

・土日の2日間が中日となりました。例年は、勤労感謝の日もあり、3日間の中日となるようです。この2日間は、疲労回復が中心となり、思ったほど勉強が出来ませんでした。

 

3 会場

 

実務修習地が大阪、京都、神戸、奈良、大津及び和歌山以外の修習生+再受験希望者

司法研修所

実務修習地が大阪、京都、神戸、奈良、大津及び和歌山の修習生

新梅田研修センター

 

・B班の修習生のうち入寮している者は、二回試験が終わるまでそのまま寮で生活することができます。

・その他の修習生は、自宅又は試験会場付近のホテルから当日試験会場まで向かうことになります。

・試験会場付近のホテルは、当然ながら混み合います。和光のホテルであれば、6月頃から予約が可能となるようです。早めに抑えないとすぐに予約でいっぱいになるので注意。

・あえて朝霞や池袋のホテルを利用している修習生もいたようです。この場合は、予約状況はそこまで気にする必要はないでしょう。

・残念ながら、ホテル代等は自分で払う必要があります。

・会場付近への宿泊をどう考えるかについては、司法試験を経験してきた修習生には釈迦に説法でしょう。ご自身にとってベストだと思う選択をされれば良いです。

 

4 注意事項

 

答案起案は、答案起案時間のみ可能です。答案綴込時間中の答案起案は不正行為になります。

・答案は、試験監督者の答案綴込時間終了宣言時、答案用紙の一番上に答案表紙を重ねた上、綴り紐で散逸しないよう結ぶところまで完了しているもののみ有効なものとして回収がされます。

・本番では、綴り紐が解けないように固結びを3回くらいするようにしました。集合修習の起案を蝶々結びで出していたら、注意喚起のコメントと共に親の仇かと思うくらいギチギチに固く結びなおされて答案が返却されたので、やりすぎくらいが丁度良いかと。

・試験時間中、所持している電子機器・通信機器は、全て試験監督者に預けることになる(試験時間中に預けていない電子機器・通信機器があれば即不正行為)。試験会場には、できる限り電子機器・通信機器を持ち込まない(必要最小限にとどめる)ことをおすすめします。なお、入寮している修習生は、すぐに試験会場に着けるので携帯電話ですら持っていかないという方も多かったようです。

・ちょっとしたお菓子以外の食べ物は、昼食時間のみしか食べることができません。また、昼食のゴミを捨てられるタイミングは昼食時間直後までなので、試験監督者の指示はきちんと聞くようにしておきましょう。

 

5 配布物・持ち物関係

 

・試験に際して、配布・貸与されるものは、答案表紙、答案用紙、草稿用紙、考試記録、六法、付箋でした。

・検察のみ、『検察講義案』の付録部分が貸与されます。

・貸与された六法は、72期の場合、『デイリー六法 平成31年度版』(三省堂)でした。

・配布された付箋のサイズは、以下のツイートの画像のようなものでした。色は黄色の2色。

・答案用紙、草稿用紙、付箋は、任意のタイミングでおかわりが可能です。教室前方に置いてあるので、自由に持っていくことができます。いずれも最初に配られる数では足りなくなることがあるので、特に必要な数が多くなる科目では私は試験が始まってすぐに取りに行くようにしていました。

・持参する・できる物は以下の通りです。

受験票は必須の持ち物です。

答案起案に使用するペンとして、黒インクのペン(ボールペン、サインペン及び万年筆を含みます)の持参が必要です。ボトルインクやインクがプラスチック製消しゴムで消せるペンは使用不可です。

草稿用等の筆記用具として、ペン類(黒以外のマーカーも可)、鉛筆、色鉛筆、消しゴム、定規を持ち込むことができます。問題によっては、図を書いて解答できるものもある(例えば、刑事弁護で証拠構造を図で解答しても良いというもの)ので、定規があると良いかもしれないです。

時計は、時計機能のみを使用できます。あらかじめアラーム機能を切ることはもちろんですが、ストップウォッチ及びストップウォッチ機能・タイマー機能は使用不可であるという点は要注意です。

身の回り品として、防寒具、カイロ、薬(注射により摂取するものを除く)、冷却シート、湿布(体に貼り付けるもので、匂いが他の者の迷惑にならないもの)、生理用品、リップクリーム、ハンドクリーム(匂いが他の者の迷惑にならないもの)、クッション、座布団、腰当て、スリッパ、マスク、指サック、手首サポーター、ハンカチ、ミニタオル、ティッシュペーパー、ウェットティッシュ、耳栓(係員等の指示が聞こえるよう留意)、拡大鏡(虫眼鏡)を持ち込むことができます。

・その他の一切の私物(筆箱等)の使用は禁止されます。これらは鞄の中にしまわなければなりません。

・上記のように電子機器・通信機器は試験時間中、必ず試験監督者に預けなければなりません。1点ごとに名前のシールを貼ることになるので、多数持ち込むと煩わしいと思います。

昼食は持参しなければなりません。外食はできませんし、試験時間中に飲食物を購入できるスペースもありません。

昼食以外に持込可能な飲食物は、あめ、ガム、栄養調整食品等の簡易に摂取可能で、匂いや音が他の者の迷惑にならない食品ペットボトル、水筒等の開栓後に再度の密閉が可能な飲み物です。

・机上には、飲み物を合計2本(各1リットル以下)まで置くことができます。

飲み物は絶対に忘れないようにしましょう。ウォータークーラーも自動販売機も使えないので、忘れると試験時間中に得られる水分はお手洗いの水しかなくなります。私は、試験2日目に忘れてしまい、かなり焦りました(友人の助けを得て事なきを得ました。ありがとう。本当にありがとう。)。

 

6 特例措置等

 

試験において特例措置を受けたい場合や喫煙をしたい場合には、事前の届出等が必要になります。該当者は、配布物を良くチェックするようにしましょう。

 

7 雑感

 

二回試験は、心身共にタフさが求められる試験です。体調面とメンタル面のケアを大事にするようにしましょう!私は、体調管理の一環として、二回試験の2週間前から二回試験が終わるまで毎日R-1を飲んだり、早寝早起きを心がけるようにしました。

私の隣で受験していた方は、初日の開始2時間くらいで机に突っ伏してお昼寝を始めていました。おそらく前日眠れなかったか、自分を落ち着かせるための作戦だったのではないかと思います。いずれにしても、人生のかかった試験で眠るという行為は、通常なかなかできることではないので、何かしらのプレッシャーに起因していた可能性が高く、それだけ二回試験が大変だということを示す出来事だったといえるのではないでしょうか。

試験監督者の方々はかなり場慣れしている方々でしたので、大抵の事には柔軟に対応してくださると思います。ちなみに、自分の試験監督者たちは、毎日タキシードを着てくる方がいたり、膝に絆創膏をたくさん貼っている方がいたりと、個性が垣間みえる方々でとても好きだったので、毎日会うのが楽しみでした。

 

8 二回試験前後のツイート紹介

 

私の二回試験前後のツイートをここに掲載しておきます。リアリティがあるので、参考にできる部分もあるかと思います。

 

 

9 二回試験関係の記事の紹介

 

LAW BLOG(ローブログ)でこれまでの投稿した二回試験関係の記事のリンクです。

 

lawblog.hatenablog.com

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この記事をご覧いただいた皆さまが無事、二回試験をパスできるように祈っています。