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就職活動について(その1)

前回、内定を頂いたことについてご報告致しました。

忘れないうちに就職活動について体験談や私なりの分析を交えてまとめておこうと思います。少しでも読んで下さる方の参考になれば幸いです。

 

長くなるので3回に分けて書きます。

今回は、採用時期の波と私の就職活動の方針についてです。

 

採用時期

第1クール(司法試験終了後〜合格発表)

この時期は、大手の事務所やそれに準ずる事務所が中心なのは周知のことだと思います。しかし、その裏でひっそりと採用活動を行っている小中規模の事務所もあります。また、企業も一般の新卒の採用時期と揃えて応募をかけているところがあります。合格前というなんとも難しい時期ではありますが、色々見てみるのも良いのかもしれません。

採用に直結し得るサマークラークやインターン、アルバイトを募集している事務所もあります。

この時期に動いている事務所・企業は、やはり優秀層の獲得が目的なのだと思います。

 

第2クール(合格発表〜年内)

おそらく1番ボリュームの大きい波だと思います。採用側も応募側も。そのため、人気のところは倍率がとても高くなります。また、獲得競争の面もあるからか、年々採用活動を早く進める傾向になっているらしく、司法修習開始前の11月までに内定を出す事務所が増えてきているようです。

各サイトにたくさんの募集がかかったり、弁護士会や法律家団体、予備校が主催する大きな説明会が開かれます。さらに、第1クールで内定が出ていた人の中にも残念ながら合格できない方がおり、その分の枠について追加募集がかかったりします。これらについての情報収集とその精査がとても大切だと感じます。

この時期に動いている事務所・企業の方針は様々で、選考の基準もまちまちです。ですが、司法試験の成績が出ており、その提出を求めているかで、ある程度どんなことを重視しているかの傾向は掴めます。司法試験の成績の提出を求めるところは、点数的な優秀さを持った方が欲しいところ。求めないところは、性格や考え方がマッチする方が欲しいところ。

 

第3クール(年明け・実務修習開始〜実務修習終了)

ここからは私も未体験の領域になりますので、その点についてはご容赦ください。

この時期から就活を始める方も少なくないとのこと。弁護修習の際の弁護士事務所や担当の先生が紹介してくださった事務所などに内定を頂くという新たなルートが現れます。場合によっては、第2クールまでの内定先から乗り換える方もいらっしゃいます。

事務所によっては、応募が殺到して事務作業が増えることを避けるため、人は探しているがあえて募集をかけていないところもあるそう。中には、優良事務所かつ好条件だったりするらしいので、そういった情報をキャッチできるようなコネ作りなどをすることになるのでしょうね。

もちろん、公募をしているところもたくさんあります。

第2クール以上に事務所や企業の方針は多様であるように思います。

第3クールで大変なのは、勤務志望地と実務修習先が離れた場合。金銭的・時間的・体力的な負担がすごいと聞きます。

 

第4クール(実務修習終了後〜弁護士登録)

この時期に決まる方も一定数いらっしゃるとのこと。

色々な事情から生じた内定辞退者の枠の分の募集がかかったり、研修所の教官が助けてくださったりとチャンスがあるようです。

しかし、この時期は二回試験もありただでさえ精神的負担は大きいですし、1回目で合格した方が、最後まで就職先が決まらず即独したという話もロースクールの同期から聞いたので、この時期まで就活を持ち越すのはかなりリスクがあると思います。

 

私の方針

目標

私は第2クールにおいて内定を頂くつもりで動こうと考えました。司法試験に2回失敗するまで、すなわち、昨年と一昨年は第1クールで内々定(合格したら内定という条件)を頂いていました。しかし、今年は精神的にかなりダメージを受けていたので、合格発表まではどうしても動けませんでした。それでも、今年も早く動きたいと考えていましたので、合格発表後にすぐ就職活動をはじめたという形です(詳しくは下記参照)。

 

スタンス

自分の置かれた状況の厳しさを真摯に受け止める。しかし、就職先選びの妥協はしないし、何があっても常に前向きでいる。そして、自分を偽らない。

(うーん…これはあまり参考にならなさそうですね。)

 

早く動いた理由

①早く採用活動をしている事務所や企業は若手に関心があると推察できる

②内定を早く頂ければ司法修習に集中できる

③就職活動が長引いてもそれまでの経験を活かせるのでチャンスが広がる

 

①について

若手に関心がある事務所や企業は、教育体制や経営面に目が行き届いている可能性が高いのではないかと分析しました。採用時期はこちらにとって選択の際の評価の指標になり得ると思います。

もちろん、採用時期が早いところの全ての事務所や企業がそうであるとは限らないですし、逆も然りです。

 

②について

司法修習は体力的にも大変だと聞きます。私は、決して器用ではないので、司法修習も就活も並行して上手くやれる自信がありませんでした。そういった観点から、年内(できれば司法修習開始前の11月まで)に、内定を頂くことを目標として動いていました。

焦るあまり妥協をすることがないように注意もしました。就職先はとても重要なので。

 

③について

面接は場数を踏んだ方が上手くなります。グループ面接で身をもってその差を顕著に感じました。緊張感とのバランスは取らなければなりませんが、自分の思いを伝えるにはしっかり話せるようになっておくことが大切かと。

加えて、内定は頂けなくとも、ある程度の関係性が出来上がった場合、別のところに紹介してくださるような場合もあります。あるいは、不採用となった理由についてフィードバックが頂けたりします。これらは就活を続ける上でプラスになりますよね。

 

アプローチ先

弁護士事務所のみを受けました。企業を受けなかった理由は、自分のやりたいことは弁護士事務所でこそできると考えたからです(企業でインターンをやってみてその思いを強めました)。

弁護士事務所を選ぶ際にポイントにしたのは、場所、取扱分野、雰囲気、報酬形態(額面ではない)、教育体制あたりでした。振り返ってみると、特に雰囲気を重視していたように思います。どんなに良い事務所でも、フィーリングが合わないと長く仕事を続けられず、事務所の良さを享受できないと感じたからです。

もちろん私のような状況の者が、大手の事務所やそれに準ずる事務所(大手に近いマインドの事務所といった方が正確かも)に採用される可能性はありません。ですので、ある程度チャンスのありそうなところへのアプローチをしていくことになりました。

 

選び方

各説明会への参加

ひまわり、アットリーガル、ジュリナビのチェック

の2本立てです。在籍していたロースクールからの修了生向けのお知らせもチェックしていましたが、自分のやりたいこととマッチするところがなく応募には至りませんでした。

各説明会、各サイトで集まる事務所や企業のタイプに特徴がでることがあります。いくつか利用をされると、取りこぼしを防げたり、比較ができて良いと思います。

 

アピールのための工夫

志望度の高いところには「先手をうつ」ようにしていました。説明会→応募→面接(×3くらい)→内定というのが大方の事務所の採用フローだと思います。その説明会の前にHPを見て、履歴書等の送付先があったら先に送ってしまうというのが「先手をうつ」というものです。これを行うと熱意があると受け取ってもらえることがあります。また、説明会の際に「履歴書を送った者です」と自己紹介に一言添えることで担当者の印象に残ることができます。しばしば説明会で質問をして印象に残ろうとされている方がいらっしゃいますが、それよりも効果が高いのではないかと。もちろん、無闇に履歴書を送りつければ良いという趣旨ではないのでご注意を。

また、説明会や面接後には必ずお礼メールをするようにしていました。これは、どちらかというと自分に時間を割いてくださったことに関して感謝の気持ちを伝えたくてやっていたことですが、どうやらアピールにもなっていたようです。そういう意味では、名刺交換もあながち無駄ではないですね。このお礼メールについても、とりあえず送れば良いというものではないことにはご注意ください。配慮のないお礼メールは、返信の負担を増やすもので、かえってマイナスの印象に繋がります。

くだらないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、就活をしている修習生の皆さんは当然のように優秀ですので、少しでも自分を良いと思ってもらえるように努めなければならないなと就活を通して強く感じました。こういった工夫は、お客さんに選んでもらう時など弁護士になった後にも活きてくる気もしているのでやってみて損はないと思います。

 

かなり長くなったので今回はこのあたりでおしまい。お付き合いくださりありがとうございます。

次回は色々な選考内容についてです。私の失敗談もいくつか書けたらと思っています。