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導入修習〜ニワトリ挨拶でこんにちは〜

導入修習は3週間程しかなくあっという間に過ぎてしまいます。

そのため、目的意識を持って過ごすことがとても大切だと73期の皆様にお伝えしたいです(これは導入修習に限ったことではないかもしれませんね)。

 

それでは、箇条書きで色々書いていきます。

 

・司法修習というものが何かをきちんと掴むきっかけになる。

勉強や修習に取り組む姿勢を考える機会になった。

・想像以上に修習はハードであることを痛感すると思う。

・とはいえ、17時終わりなのでなんとかなる。

・授業はかなり質が高くて面白い(長く教官を務められている方の授業は洗練されていて感動した)。

・授業の質の高さは司法修習生が皆、司法試験をパスしているというところにも由来していると思う。受け答えがスムーズだったり、質問や発言が鋭かったりする。

・質が高いとはいえ、限られた時間では、吸収しきれない程の情報量であることも事実。

・パワーポイントの文字量がかなりあるので全て写すことは難しい(一部の科目では、レジュメの配布がある)。

・自分はノートはざっくりとるようにして、きちんと説明を聞く方に力を注いだ。

・分からないことがあれば、教官に質問しにいくと良いと思う。自分は質問をたくさんするタイプではないが、教官は投げたボールをしっかり打ち返してくださる。

・各クラスの教官で若干スタンスや教え方は異なるが、説明内容は、かなり高いレベルで共有されているので心配いらない。

・対策として他クラスの人とノートの交換や勉強会をすることも考えられるが、そこまでやっている余裕はあまりない。

・研修所説には乗っかっておいた方が理解も進むし起案も上手くいく。例えば民裁の処分証書の定義は「よってした説」なので注意(分からない方はジレカンの定義を見てね)。他にもいわゆる大島本とは判断枠組の第2類型の処理方法が異なったりする。

・白表紙は結構奥が深くて、読み込むことや実務修習を経ることで記載内容の本当の意味に気づけることがある。良い教材なので、やはり勉強の素材としてはこれを中心に据えれば間違いない。そして、足りない部分を市販の教材で補うという発想が良いのではないか。

・任官任検志望者は、放課後の面談や説明会等に参加する必要がある。

・各科目短めの時間での起案があるが、事前に出題内容が分かるものや資料持込が可能なものもあるのでそこまでおそれる必要はない(ただし任官任検志望者は常に良い成績をとることが望ましいので対策等をしっかりしておくべき)。判例付六法も使って良かったはず。

・起案は返却された後、採点や評価はついていないし、教官も採点等はしていないと言う(コメント程度は付いていることもある)。しかし、綴り紐が解かれた形跡があることからデータ化して残されている等のことが予想され、実力は図られているのだと思う。

・刑裁は、起案とは別に抜き打ちテストみたいなものがあった。司法試験的な刑法の問題で時間はかなり短い。

・民事弁護のレジュメは二回試験との関係で大事。この中からも出題される可能性が高い。

・第1クールが年末年始を挟んですぐはじまるので、その準備(問研起案の対策とか)を並行してやっておくと良い。

・クラスごとにランチ会みたいなものが2回あり、そこでみんなの前で自己紹介をすることになる。

自己紹介はある程度準備しておくと良い。自分はしっかり準備して、しっかりスベった。(これが実務修習に入ってからも何回か続き、いつの日かスベり自己紹介製造機になっていくのであります)

・頭良い人や素晴らしい経験をお持ちの方たちだらけで軽くへこむ。自分の武器は何かを必然的に考えざるを得なくなる。

・司法修習に対するスタンスは人それぞれ。時期や状況によっても変わる。周りの人のことはあまり気にしすぎず自分らしくいることは大切なのだと思う。もちろんそれを言い訳に適当に過ごしてはいけない。

A班とB班が同じ場所にいる最初で最後の機会。違う班の人と交流したい人はチャンス。

・クラス内でも班が違うと実務修習で顔を合わせる機会は限られているので交流するチャンス。(班で懇親会をやっているところもあったが、それは実務修習に入ってからでも良いのではないかと思った。導入修習中にしか会えない修習生の数の方が圧倒的に多い。)

・そんな訳で、自分は導入修習中、毎日違う人と食事に行くように心がけていた。割と大変だったけれど、一応目標達成。

・教官も来るクラスの懇親会が2回あったと思う。

・それとは別に修習生のみで何回かクラスの懇親会をした。各クラスが同じ日に懇親会をすると和光のお店のキャパ的に入りきらないこともあるので予約はお早めに。寮の談話室でも1回やってみた。

・結構使える技が、少しでも関わったことのある人とすれ違った時は、声をかけたり、軽く会釈するようにしておくというもの。それが数回積み重なれば、何かのきっかけでごはんに行ったり、一緒に勉強や遊びに行く関係に成長する。

・挨拶をどんどん進化させて最終的に「ニワトリ挨拶」というテクニックを編み出した。知っている人にあったらニワトリになったつもりで首を前に出すだけ。簡単で便利。気づかれなかった時もダメージが少ない。是非使ってみて欲しい。ただ、使用者が増えすぎると研修所が養鶏場になってしまうので使いすぎには注意。

・人とのコミュニケーションについて色々書いているが無理に知り合いを増やす必要はない。(自分も基本的にはひとりで行動する派。)

・土日は、合格祝いの延長で旅行とかに連れて行ってもらっていた。勉強している人も多かった気がする。

・短い期間なので荷物はコンパクトに。

・教材も基本書等最小限でOK(図書館や本屋さんが敷地内にある)

・自分は条解を持ち込んで荷物が重くなり後悔した。

・入寮する際、早めに行くと前の修習生が残してくれた便利グッズがたくさんある。

・食事や生活環境について色々言われているが、工夫次第でいくらでも快適にできる。

・とりあえずAmazonを使えば物に関しての問題はほとんどクリアできる。

・授業終わりで内定先のボスに食事に連れて行ってもらうこともあった。他にも色々な会に顔を出していた気がする。

・修習とは別の勉強について、時間等の面でどう折り合いをつけていくかは最後まで課題だった。修習中に資格取得や語学の習得に励んで結果に繋げている方は本当に尊敬する。

・色々書いたが、導入修習では、各科目の起案の書き方の大枠や勉強方針実務修習への臨み方等の確認、人間関係の構築ができたら十分なのではないかと思う。

 

こんな感じです。

 

最後に良かったエピソードを。

ある日たまたま早すぎる時間に教室に着いてしまったことがありました。もちろん人がいるはずもなくと思ったら既に教室の中に教官がいらっしゃいました。聞くと、パワーポイントの動作確認をしていたとのこと。教官はそれ以上語らなかったのですが、限られた授業の時間を有効に使えるよう機材の状態をチェックしていたのだと思います。ここまで修習生たちのためにしてくれていることに本当に頭がさがりますし、「神は細部に宿る」といいますがこういうことを言うのだろうなと勉強になりました。

 

約1週間後に73期の皆様は導入修習を控えていると伺っています。素敵な日々を送れるよう応援しています。自分も入所に向けて準備を進めて参ります。お互い頑張りましょう!