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想像力が欲しい

人として大事な力のひとつは想像力なのではないかと思っています。

 

法曹界では、裁判官や検察官に対する(特に弁護士からの)視線は厳しいものがあります。

そんな訳で、この数日でもSNSの世界で、裁判官・検察官に一度逮捕・勾留を体験させるべきだとか、職務経験として大手事務所以外に出向させるべきだとかという話が出ています。(「この数日」と申し上げたものの、定期的に似たような話題は上がります。)

 

でも、仮に上のようなことを実現したとして、そういう話をされている方の問題意識が必ずしも解消されるとは思えないのですよね。

逮捕・勾留の怖さのひとつに社会的な信頼の失墜があると考えていますが、これをプログラムで味わうことは不可能です。大規模でない事務所への数年の所属期間で、十分な案件の提供をすることも容易ではないはずです。仮にこれらをできたとしても、今度は「ちょっとした体験しかしていないのに全てを分かっているかのように振る舞うのは何事だ!」的な話が出てくるような気がします。

 

人間が見える範囲は限られていて、その見える範囲とやらを増やすだけでは頭打ちになりやすいということなのでしょうかね?

だとすれば、見えない範囲を補う力、すなわち、想像力が重要なのではないかと思った次第です。

 

弁護士の仕事をしていても、「想像力があればお客さんにもっと喜んでいただける対応ができただろうな」と思うことがあります。想像力が足りなくて先輩弁護士から検討や詰めの甘さを指摘していただくこともあります。

だから今は一生懸命考えることに取り組んでいます。

 

そして、想像力のある人は、創造力もあります。

こうなると仕事もプライベートも格段に楽しくなるんだろうな。