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基礎・基本とは何なのか

司法試験合格者の言う基礎・基本さえできれば受かるというおはなし。何人かの方からその内実が良く分からないとのご相談を受けました。一体何が基礎・基本であるかは難しいところですよね。

 

司法試験受験者は予備試験に合格した人か法科大学院を卒業した人のいずれかですから、法律学という視点でみれば既に一定の基礎・基本を抑えていることと思います。ですが、司法試験に合格するだけの基礎・基本というのはもう少しレベルの高いものだと感じていて。

 

何が基礎・基本かというのは判断が難しいですが、少なくとも合格者の方が不合格者よりも基礎・基本とする部分の領域を広くとっているのは間違いないのではないかと。

 

思い返してみれば、勉強が進んでいないうちは、司法試験の出題趣旨や採点実感を読んでいて「この問題は基本事項を問うものにすぎない」みたいに書いてあっても「いやいや難しいですから」と真剣にその意味を捉えられていなかったように思います。しかし、合格者はおしなべてそれが出来ているのですから、それくらいは司法試験合格者にとって基礎・基本と位置付けられることになるのでしょう。

 

つまり合格できるレベルの人ができるようなところが基礎・基本であると捉えるのが良いのではないかと思うのです。

具体的に何がそれにあたるかは過去問や予備校の答練などを通じて、すなわち、必要な勉強をしていれば次第に分かっていくと思います。力がつけばつくほど見る目が養われますので。

 

この基礎・基本さえできれば受かるという話を、重要論点などさえ抑えておけば良しと勘違いしてしまうと勉強の方向性を誤ってしまうので注意が必要です。


普段から、本当の意味での基礎・基本を広げるような意識で勉強をされるとステップアップできると思います。もっといえば、難しい問題や論点も自分にとって基礎・基本にしてしまえば向かう所敵なし状態にさえなれるはずです。

 

ちなみに、この点に関して私は出題趣旨や採点実感を読む際に基礎・基本というフレーズが出てきたら必ずマークしておくようにしていました。